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〔目次〕
■巻頭随筆
・地球を描く図法

■特集 図法入門
・これでわかる地図投影法の基本
・学校地理教育で活用する各種の図法と地図
・メルカトル図法とは
・イギリス初等教育での世界地図と図法の扱い
・誰でも簡単に使える地図アプリ、YouTube
・[参考]さまざまな図法

■地図楽
・読図のヒント]]XII
 地形図に応急的な修正があった
・吉田初三郎の弟子達の群像E 稲垣満一郎
・地図と私

■文献紹介
・鎖国の地球儀 江戸の〈世界〉ものしり帖
・小学校の社会 友だちに話したくなる 地図のヒミツ
・百年前の地図帳・教科書から読み解く
 大正時代の日本
・改訂版 江戸之下町復元図
・わが国の近代地図作成の始まり

■資料室
・2017年9月号〜2017年11月号
・(一財)地図情報センターからのお知らせ
・受像図書・資料(2017年1月〜12月)
・表紙・裏表紙解説

付録 「世界の地図情報2017/18」
    
地図情報 Vol.37 No.4 通巻144号 特集:図法入門
〔表紙解説〕
 「新制最近世界地図(増訂改版)」より(昭和12年10月30日発行、昭和16年12月30日修正6版発行、三省堂編輯所編、原寸)。 
 表紙、裏表紙の地図は、『新制最近世界地図 増訂改版』(三省堂編輯所編、昭和16年)掲載のものである。A5判、メインの地図はカラーで88ページ、付録として掲載されている統計図表20ページ、索引34ページという小冊子ながら、充実した文部省検定済教科書である。
 奥付を見ると初版発行が昭和12年。年に2回修正版を発行した年もあり、掲載に使った昭和16年発行は、修正六版になる。
(表表紙)種々の変形地図様式
 目次の後、地図の部の最初、1ページに掲載されている。変形地図というと、今はカルトグラムを思い浮かべるがこれはそうではない。当時はユニークに思われた図法による世界地図を集めているからだろうか。以下の5種類の図法が示されている。
 ハート型図法(現・ヴェルネル図法)、星形図法、紡錘型図法(現・サンソン図法)、楕円形図法(現・ハンメル図法)、等面積図法(現・断裂モルワイデ図法)。
 現在、投影法名は多くの場合人名が用いられているが、等面積図法はともかく、それ以外は、直感的でわかりやすいことに気づかされる。ただ、ここに掲載された図の内、星形図法以外は正積図法だから、断裂モルワイデだけを等面積図法とするのは適切ではない。検定意見はつかなかったのだろうか。
 大きな3つの地図は、それぞれ人種分布、宗教分布、人口分布の主題図となっている。
(裏表紙)地図の種類と面積の相違/凡例
 表紙ページの裏に掲載されている。3つの図法が経緯線間隔10度で示されている。直射図法(現・正射図法)、メルカトル図法、平射図法である。
 タイトルから、同一縮尺で表現した時に3つの図法ではどのような違いが生じるか、ということを示しているのかと思ったが、そうではない。個々の図法の中で、低緯度と中緯度、および周辺部で面積がどう違うかを示すのが基本である。もちろん、その違いが図法により異なることも示される。
 丁寧に説明するには少々時間をかけなければならない。当時の地図投影法をめぐる理解度は、今よりかなり高度だったのだろうか。
 なお、これに先立つ『新制最近世界地図 増訂版』の修正四版(昭和8年発行)が、広島大学図書館教科書コレクション画像データベースにpdfファイルとして登録されており、表紙を含め全ページを閲覧できる。(http://dc.lib.hiroshima-u.ac.jp/text/detail/453420170131184733)。
 これには本書掲載の内容はない。修正の度に色々変更したことが想像できる。(田代 博)

付録:世界の地図情報2017/18