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地図情報
地図情報 Vol.35 No.4 通巻136号 特集:「地理総合」とは何か
〔表紙解説〕  
「1:25,000デジタル標高地形図『東京都区部』」(国土地理院HP)
 「地理総合」で授業内容となるGIS(地理情報システム)。基準となる地図にさまざまな情報を重ね合わせることによって地域の状況を視覚的に表示し、分析を行う、と書くと難しく感じますが、ガイドブックの地図にルートを描き込むのも一種のGI(地理情報)です。地理情報(地図)に位置情報(行きたい店に○を付ける、ルートを線で引く)を加えることはGI作業なのです。これらは点や線による位置情報表示ですが、面、例えば標高区分を地図上で色分する「標高段彩」もGIです。ただ等高線をなぞって塗るのは案外大変なので「GISソフト」の力を借ります(やっと“System”のSが入りましたね)。GISソフトを使うと地図画面上に様々な画像情報を重ね合わせ(レイヤー)、その地域を視覚的に表示し、直感的に把握することができます。表紙のデジタル標高地形図「東京都区部」は、地形図+標高段彩+陰影(光源が南西)の3画像を重ねて地形を分かりやすく表しています(裏表紙参照)。GISでは位置情報(経緯度・標高)や図法なども加わっているので、距離や面積なども計算できます(だからシステムなのです)。ただGISソフトは使われる単語の難解さ、多層メニューによる操作の煩雑さ、さらに表示データ(標高(DEM)データ等、自分で作るのは大変)も必要なので敷居が高く感じられます。GISの概念をつかむために、最初は色鉛筆を使った地形図の標高段彩(地形把握に必要)から始めてみてはいかがでしょうか。(編集部)
目 次

■巻頭随筆
「地理総合」…生徒が“総合”していく…という構えを
■特集 「地理総合」とは何か
・「地理総合」に向けて、「地理総合」への期待
・「地理総合」への歩みとその内容構成、アクティブ・ラーニングとの関係
・教員養成・市民育成からみた高校「地理」学習の必要性  −地理総合への期待−
・地理総合に向けて、地理総合への期待−神戸大学附属中等教育学校における地理基礎の開発から−
・座談会「地理総合」への“期待”と“課題”
 「教師・生徒」と「地理総合」の相互作用
■地図楽
・読図のヒントⅩⅩⅤ 縮尺…ちぢめたものさし
・城と地図 時習義塾酒井如酔著、吉田晶三編輯、明治11年『府県市街案内図全』 −絵図地図に見る明治初期城郭遺構の変遷、大分城跡、前橋城跡−
・地図と私 鉄道地図にみる位相図化、デザイン化
■文献紹介
・図解・表解 世界の地理
・オーストリアの風景
・1945・昭和20年 米軍に撮影された日本
 空中写真に遺された戦争と空爆の証言
■巡検・見学会・セミナー
 伊能忠敬ゆかりの佐原を訪ねて
  −伊能忠敬記念館の見学ほか−
■資料室
・2015年9月号~2015年11月号
■お知らせ
・受贈図書・資料(2015年1月~12月)
・(一財)地図情報センターからのお知らせ
・表紙解説 編集部
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〔付録〕世界の地図情報2015/16 ヨーロッパ・アメリカ・オセアニア編