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地図情報 Vol.31 No.1 通巻117号 「地図帳の外国地名表記」
〔付録解説〕日露清韓新地図 明治37年2月訂正再販 大阪 田中宋栄堂
 アジア東部地域の地図は、日清・日露両戦役、さらに日中戦争へと続くなかで、民間刊行図ばかりでなく、各新聞社の付録としても数多く作られた。付録として無償で配布された地図は消耗品として戦果追跡などに使われ、残存するものは少ない。
 本図は民間の日露戦役直前の刊行図で、千島列島はすべて日本語(漢字)表記され、樺太は片仮名である。1875(明治8)年の樺太・千島交換条約後の姿であり、日露戦役後ポーツマス条約で南樺太が日本領になる直前の形である。また韓国(朝鮮)の一部の地名は、日韓協約後ではあるが、併合後の地名を先取りして書かれているようである。民間図には時としてみられるが、一図中に歴史との時間差があるようである。
(清水 靖夫 (財)地図情報センター理事)
目 次

■巻頭随筆
・国際化時代の外国地名表記
■特集 地図帳の外国地名表記
・学校用地図帳での外国の地名表記
・学校地図帳における外国地名の表記
・外国地名、特に中国地名についての高校現場の声
・外国地名の日本語表記の難しさ
・日本海の呼称
■地図楽
・読図のヒントⅥ −子午線−
・紙の地形図をじっくり眺めてみよう 第4回 際物的地名の研究
・海の地図を教材に使おう④ −海の資源や環境と海底地形との関係を海図や海底地形図から読図する−
■文献紹介
・くらべる地図帳
・東京今昔 歩く地図帖
・消えた駅名 −駅名改称に隠された謎と秘密
・長崎を識らずして江戸を語るなかれ
■資料室
・2010年11月号~2011年1月号
・(財)地図情報センターからのお知らせ

■付録
「日露清韓新地図」
見出し記号 〔付録〕「日露清韓新地図」