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地図情報 Vol.31 No.2 通巻114号 「奈良・いま ふたたび」【在庫無し】
〔付録解説〕「奈良電気沿線名所図絵」(原寸)吉田初三郎作画(奈良電気鉄道 昭和3年9月25日刊) 「ならでん」の愛称で親しまれた京都〜西大寺間の奈良電気鉄道は(昭和38年に近鉄に合併し、近鉄京都線となる)、昭和3(1928)年11月に京都での昭和天皇御大典にあわせ開業した。西大寺で大軌(現近鉄)奈良線と連絡。赤く一直線に作図した沿線には、伏見桃山御陵や古社名刹・名所旧蹟をびっしりと配置し、例えば、宇治平等院、東大寺大仏殿、二月堂・三月堂、春日神社、興福寺と猿沢池、法隆寺、薬師寺、唐招提寺、橿原神宮などの境内図を、カラフルな立体的絵図として表現していて、楽しくなる。はては伊勢神宮参拝交通図絵ともなるような構図でもある。 よく見ると、たくさんの天皇陵や奈良ホテル。さらに神鹿と三笠山(若草山)には、鹿の姿が判別できる。また、今でいうレトロな車両・自動車などが走行し、ピンクの桜を散りばめ、図の上部角には、遥か遠くの富士山や北海道、樺太まで描出していて“遊び心”に満ちているのである。そんな古都を結ぶ沿線案内名所図絵鳥瞰図といえるだろう。 なお、初三郎は昭和15年新秋に、少し構図を変えて「奈良電車沿線名所図絵」(奈良電気鉄道滑ァ)の作品も残している。 (藤本一美 首都大学東京非常勤講師)。 ※この号は在庫がございませんので、バックナンバー購入ができません。CDでのご提供となります。 〔付録大判地図〕 |
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