地図情報 Vol.28 No.3 通巻107号 「小笠原諸島の地図」
〔裏表紙解説〕小笠原諸島の20万分の1帝国図 第2次大戦前の全国を覆う5万分の1地形図からの編纂図は、20万分の1帝国図(20万分の1地勢図の前身)であった。1図幅の範囲は、経度差1度、緯度差40分の範囲で、往時、南鳥島・沖ノ鳥島を除き、小笠原諸島は7図幅からなっていた。これらの範囲の図は発行初期を除き秘扱図であったため、軍事施設の削除は勿論、等高線を欠き、地形表現は地形に従った緑色のぼかし(暈)のみで表現されていた。昭和12年以降、軍機保護に関する規定が強化され、山地の表現も平調な緑色となり、崖や崩壊地などの変形地も含め、海岸もすべて平調な青色に変えられた。ちょうど父島図幅と母島図幅にその差異が見られる。なお現在の20万の1地勢図ではこの範囲は「小笠原諸島」と1図幅に纏められている。 (清水靖夫 地図情報センター理事) ■ 巻頭随筆 「骨島」と「沈水カルスト地形」:二つの40年に思う ■ 特集 湾の地図 ■ 巡検報告 ■ 資料室 |